これは密書!?やはり疑われているのかしら
私の反応を注視しながら鎌をかけているのかもしれない。
わけがわからずラムル様を窺うとラムル様は固い面持ちで頷き替えた。
「できればそれを王に渡して欲しい・・・渡すかどうか悩んだがやはりあの方に渡すしか・・どうか頼む」
泰然と振舞っていたけれど昨夜暗殺未遂にあっただけにやはり不安だったのかもしれないわ。あの男はやけにあっさりと引いたけど私が去った後のことまではわからなかった。
本当は喉から手が出るほど欲しいものだったが、安易に頷くわけにもいかなかった。
だってそうでしょ?きな臭い政治に巻き込まれてしまうかもしれない。
ただの踊り子だったならばともかく密偵として裏の顔を持つ私にはどう対処すべきなのか葛藤があった。
「そうおっしゃられても困ります。私など王に拝謁できる身分ではありませんもの」
王は公平な方で広く庶民の言葉にも耳を傾けてくださるという噂だった。
だからといってなんの身分のない私が王宮になど上がれるはずもない。
するとラムル様は謎の笑みを浮かべられたかと思うと続けた。
「それならば心配ない。ここだけの話ではあるが王は近々婚約のお披露目をされるという話だ。めでたい席だけに踊りの名手であるそなたにもお声がかかるだろう」
あ・・そういうこと
それにしても独身の王がついに婚約されるなんて驚いたわ
でもそういうことならばカマルの舞妖妃として堂々と王宮に乗り込めそうね
王宮だけあって警備が厳重であったとしても広いし紛れ込めるだろう。