それに私はきっともう恋なんてできない・・そんな風に思ってしまうのは苦い想いをしたせいなのかもしれない。

 

私はG県に来る前C県の分署にいた。そこで起きたあの忌まわしいブラインドマン事件で絶体絶命の危機に陥ることになった。

 

犯人に捕まり絶体絶命の大ピンチだった私を救ってくれたのは関本だった。

 

けれど彼は刑事ではなく犯罪者だ。

 

裁判の途中で事件に対しての情報を持っていると告白した関本はそのまま収監され、そこで私は彼と出会った。

 

私は何度も関本にライアーズアートを仕掛けたけど彼の本心はうかがい知れなかった。私の特技が利かない相手へのいら立ちが募ると同時に関本をもっと深く知りたいと思ってしまった。

 

その関本が執着していたのがブラインドマン事件だったのだ。

殺人犯だった関本は脱獄した後、ブラインドマンと共謀して私を拉致したかに思えたが、おのれのせいで事件が起きたことの始末をつけるためブラインドマンに従うふりをしていたのだという。

 

その証明のようにブラインドマンを手にかけた関本は私を救い出してくれた。

 

血まみれの彼が私のヒーローだなんて・・

 

刑事として許されないことだけど・・私は関本に強く惹かれていた。

三十路で学者肌の関本は弁が立ち話題も豊富で聡明な男だったが、人を食ったようなシニカルな一面も持ち合わせていた。

 

ブラインドマンをこの世に生み出したのは関本だった。彼は自分が捏造した都市伝説がどのように流布するのか実地調査がしたかっただけだったが、その噂がブラインドマンという怪物を作り出してしまい、彼自身変容した研究室の者を手にかけてしまったそうだ。