※ロレンツォとの失恋エンドがあんまりだったので
そこからのアンジュとの復縁を妄想してみました。
「貴女は宇宙に身を捧げる尊き存在。私との間の些事など忘れ、これからも邁進してください。・・・私はずっとそのお姿を、後ろから見つめてまいりましょう」
それが女王になった時、ロレンツォが私にかけてくれた言葉だった。
なによ背後霊にでもなるつもり?そんな風に思ったところで「ふられた」ことを簡単に忘れさることなんてできそうもなかった。
自分がこれほど未練がましい人間だなんて知らなかった。
そもそも職場恋愛なんてそうは起こらない。
仕事中に出会いなんて探さないし、ときめくような相手が現れたりなんてありえないと思ってた・・これまでは。
でも宇宙の女王候補として異世界に召喚されて守護聖に引き合わされた時、はじめて幸運が訪れたことを知った。
遥か遠いオウルで生まれ育ち若くして成功した有名な実業家だったロレンツォと「バース」と呼ばれる辺境の星で平凡なOLをしていた私が奇跡的に出会うなんて・・
でもずっとおとぎ話の中の存在だと思っていた守護聖への憧れはすぐに潰えることになった。
いずれも眉目秀麗でサクリアと呼ばれる特別な力を秘めた彼らだったけど、等身大の彼らはそれぞれ憂いや悩みを秘めた人でしかなかった。
本当は女王として悩める彼らを導かねばならなかったのに・・
自覚に欠けていた私は浅慮な女でしかなくて・・ロレンツォを失望させてしまった。