その時レイナがコンパクトを手に席を立った。どうやら聖地より緊急要請があったようだ。

 

嫌な予感を覚えながら帰りを待っているとレイナが慌てた様子で戻ってきた。

 

「サイラスからだったわ・・すぐに戻らないとアンジュになにかあったみたい・・貴方も一緒に来て」

 

 

やはり予感は的中してしまったようだ。レイナに同行して急ぎ聖地へと向かう道中私の心を占めたのは拭いされない不安だけだった。

 

アンジュ・・・無事でいてくれ

 

聖地に戻った私達を出迎えたサイラスはいつになく緊張をはらんだ面持ちだった。

 

「何があったの?アンジュは無事?」

 

不安を押し殺したレイナの質問にサイラスは淡々と応じた。

 

「ご一緒だったんですね。とりあえずはご無事です。しかしこのままの状態が続けば宇宙の危機は確実です」

 

そこはかとない嫌味は流すしかない。女王に仕える身として歯がゆいのは当然のことだ。

 

やはりそうなってしまうのかと不安を募らせながらサイラスに確認する。

 

「アンジュの様子を確認してもいいかな?」

 

頷くサイラスの案内でアンジュが使う私室へと向かいながら考える。

 

先ほどから気になるのは呼ばれたのが私とレイナだけだということだった。