どうせ私以外の男も部屋に招いてるに違いないと思っていたが、彼女は思った以上に一途な女だったようだ。
シュリをはじめアンジュの力量を図るために率先して青空面談をしたという守護聖はいたがアンジュと部屋で二人きりで過ごしたという者はいなかったからだ。
「たとえ女王候補であっても軽率な真似はすべきではない。・・当然だな」
シュリらしい言い分だった。だが彼女の魅力に気づかないなんて野暮な男だ。
私ももちろん青空面談はしたがその後は水晶の洞窟で親密なひと時を過ごした。
他の者達はカフェテラスで休憩していたようだった。
「いいな~ロレンツォ。お姉さんの部屋に招かれたんだろう?俺なんかいっつも森の湖コースだったのになあ」
そうぼやくカナタに苦笑しながら「まあね」と流したことを思い出す。
親密に過ごすひと時を邪魔をされたくなくて人目を避けたいと思うが友情以上の感情の芽生えがないなら人目も気にならないという女心らしい。
既婚者ならばともかくアンジュは独身だったし守護聖と一緒だからと言ってはばかる理由はないはずだが、やはり女王は恋愛禁止の前例が気がかりだったようだ。
つまりそれだけ私とのことは真剣だったということか。
誠実な彼女ならば誠実な男を好きになるに違いない・・そういう焦りもあった。
たとえば・・シュリとかな。
かつて私と対立していたシュリの出方が気がかりだったし、アンジュによそ見されるのが不安だったから私を印象付けるためにささやかな贈り物をすることにした。