「アリ家の娘シリーンでございます。ライザール王、拝謁できて恐悦至極でございます」

 

拝礼して挨拶する。

頷かれたライザール王の双眸にも複雑そうな色が浮かんでいるようだった。

 

「しばらくぶりだが元気だったか?あれ以降もお前の活躍ぶりは耳にしている」

 

それは密偵を放っているということ?

王ならばそのくらい容易いだろう。

 

だけどもしそうならばわかるはず・・私はハンターの仕事に誇りをもっているの。

 

もし結婚してしまえば後宮住まいで自由はなくなってしまうだろう。

ああ・・でもなんていえばいいのかしら・・

 

ルトを慕う気持ちはあってもこの婚姻を許容できそうになかった。

 

「そう固くなるな・・少し歩かないか。今日はお前に紹介したい奴も連れて来てるんだ」

 

砕けた口調でいうライザール王に応じる形で散策することにした。

 

里の目抜き通りは祭囃子が鳴り響き賑わっていたし、りんご飴の屋台やうさ団子屋からは甘い香りが漂っている。

 

私が色男と二人で歩いてるからってそんなに物珍しそうに見ないでちょうだい。

 

コミツちゃんの視線に気づいたのか苦笑したライザール様がりんご飴を買い求めると差し出した。

 

「そら、食べるといい。なかなかうまいぞ」

 

屋台で買い食いなんて王なのに・・・いいのかしらあせる

 

美味しそうにりんご飴を頬張る彼・・なんかいいわねドキドキ

 

だけどこうしてると彼が王だと忘れてしまいそう・・ルトって案外地なのかもしれない

 

もちろん今はお忍びだから誰も彼が王だなんて気づかないけど・・

 

りんごりんごりんご