※店主視点です
ともかく事後処理はぬかりなくすませたかった。
失恋の痛手がレイラの心を弱らせていたようだから暗示をかけておいた。
目覚めた時には嫌なことはすっかり忘れ去っていることだろう・・
気絶したレイラを部下達が運び出して行くのを見送った私の手には回収したアイーシャの短剣と奪われた魔術書があった。
何を隠そうこの本の著書は私であり記述には嘘も混ぜてあった。
アイーシャが手にしたところで難解なこの書を読み解けるはずもなかったが、禍根は残したくなかったからあえてにわか仕立ての茶番劇を披露した。
全ては私の掌の上だ・・・・
アイーシャに利用されシリーンに仇成そうとしたあの二人・・
パメラと美蘭にも暗示を施してあった。
ライザールと出会った時にシンボルの効果は消滅するようにしておいた。
シリーンの邪魔をされたら困るからね・・・
シリーンはまだ迷っているようだがいずれ時が解決するだろう・・・
天職と得難い愛・・人生には葛藤がつきものだ・・
だけど賢明な我が娘ならば後悔のない選択をしてゆくだろうさ・・
それがわかってしまうくらい私もあの娘にほだされてしまったらしい・・
まさに彼女は私の運命の女そのものだ。
「ふふ・・・二人のベビーが待ち遠しいね・・さぞや愛らしい子だろう。男でも女でもどちらでも構わないけど・・できればあの子に似た娘がいいかな」
私の為に男を誘惑せねばならないシリーンに身を守る術を与えるために避妊薬を処方してきたが、ライザールを愛するあまりいつしかあの子は避妊薬を服用しなくなったようだ。
これまでずっとあの子の気持ちを尊重してきたかいがあったというものだ。
合一の魔術は成功した。
今宵シリーンの身の内に新たな生命が宿ったことだろう・・
祝福されて生まれてくるその子供こそきっと永劫に私を癒す存在となるのだから・・・だからこれからもずっと子々孫々まで見守ってあげるからね・・
シリーン・・君は私の大事な「娘」だから・・
さて・・シリーンはライザールを選んだがグレースが選んだもう一人はどうしたかな・・