※ライザール視点です

 

 

昇降機で登った先は先ほど階下から見えたガラス張りの部屋だった。

 

昇降機のドアが開いた瞬間、おぞましい光景が飛び込んできた。

 

腰を抜かした店主の横で骨と皮になった白髪の女が佇み絶叫をあげていたのだ。

 

足元には血液の入ったガラス瓶が転がっていた。

 

あれは私達の血か・・?

 

「ライザール様!」

 

名を呼ばれ反射的に振り向くと私の腰に差してあった短剣を使い掌を切っていたシリーンと目が合った。

 

その僅かなアイコンタクトで意図を悟った私もまた受け取った短剣で素早く掌を切り裂くと二人の血がついた短剣を間髪入れずに骸骨女目掛けて投げた。

 

それが致命傷となったのか化け物は断末魔の叫びともに崩れ去った。

 

「はあ・・助かったよ・・・いてて汗

 

どうやら肩口を噛まれたらしい・・自業自得だがシリーン自身も怪我をしているのに店主へと走り寄ったかと思うと腰に巻いていた布で応急手当をしている。

 

私だって怪我をしているんだが・・・

とはいえシリーンの態度に今更腹を立てる気はなかった。

 

さりげなく咳払いすると気づいたのか微苦笑を浮かべたシリーンが遅ればせながら手当をしてくれる。

 

だからお返しに今度は私がシリーンの手を取りハンカチで止血したのだが、その間彼女は幸せそうだったから良しとしよう。