※店主視点です
好きな人の花嫁になること・・それがあの娘の願望だ。
大人になった分賢しくなり分別が芽生えたようだが、父としては可愛い娘の願いをかなえてやりたい。
ライザールはすでに覚悟を決めているようだ。
ならば私にまかせてもらいたい・・・けっして悪いようにはしないさ・・
「アイーシャ・・それは逆凪だね?・・さぞ辛いだろう・・」
シリーンを人質にとり彼女は有利だと思っているはずだ。
だが彼女がこれまで実践した方法では限界があった。それをあえて再確認させ私に従わせる必要がある・・魔術師同士の駆け引きは利害の一致が全てだった。
見すかされるのを恐れるようにアイーシャはショールをまとい直す。
だが私の目をごまかすことなどできはしないさ・・・
枯れ木のごとく有様だろう・・骨も露出しているかもしれない・・見るに堪えない醜悪な姿になるのは時間の問題だった。
我々が人前に姿を現さないのは同じ外観を保持するためだった。
うぬぼれの強いアイーシャは己の見た目がよほど大事らしいが、それでも多くの仮面を使い都合にあわせて変えてきたようだが、
それらはすべてデスマスクだった。
アイーシャが寄越したアスラの顔もまさに死者の顔だ。
あれは・・間違いなくシェーラの顔だった。
あの顔を使えばライザールを誘惑できるとでも考えていたのだろう・・