初夜を控えた日に私室で起きた出来事はライザール様によって秘密裡に処理され何も知らされなかったのだけど私は漠然とした不安を感じていた。

 

なぜなら寝台のマットの間に隠してあったスタンプの箱がなくなっていたからよ。

 

家探しされたのだとわかったけどライザール様はもちろん何もおっしゃらなかったし、藪蛇になることを恐れた私も黙認せざるを得なかった。

 

だって今更でしょう?ヘナタトゥーを取られた上暗器まで没収されたんですもの。

 

何も気づかないわけがない。ただ私の動向を窺いながらも不問に処されただけ。

 

今でこそそれがライザール様なりの配慮だったのだとわかるけど・・当時は油断できない状況に常に緊張感を強いられていた。

 

そしてだからこそ私は店主様の裏切りに気づくこともなかったの。

店主様のために王族の血を欲していたのに達成できなかったことが申し訳なくて・・

 

だからせめてと思い自分の血を店主様に送ってすませてしまった。

 

それで済むとも思ってなかったのに・・・

 

だけど不思議なことにあれ以降店主様からの音沙汰がなくなってしまいどうすべきなのか答えは出ないまま悶々とした日々を過ごしていた。