舞妖妃とは通り名だったがその名前には聞き覚えがあった。
貴族共が噂していた女だったか・・
ふと脳裏に艶やかに踊る「レイラ」の姿が浮かんだ。
失踪の時期はあうが・・・
さらに密偵の報告ではオーナーが姿を消し踊り子たちが困惑していたそうだ。
事情はわからなかったがこれは使えるかもしれない・・・
カマルを国営化にする良い機会だったから速やかに手配をさせた。
もし彼女の正体が舞妖妃であるならばいずれ姿を現すこともあるかもしれない。
私がカルゥを連れて夜の散策を楽しむように彼女にも息抜きの場が必要だからな。
自分を完全に捨て去るのは難しいことは身に染みていた。
もちろん本人に確認をとるような無粋な真似をするつもりはなかった。
それに貴族共を夢中にさせる踊りを私も見てみたかった。
「では次の報告を聞こうか」
次々にもたらされる報告を処理していくのが日課になっていた。
十分に情報収集した上で情報を精査してから会議に臨むのがルーティーンだった。でなければ時間がもったいないからだ。
もっとも今は婚約披露の宴が連日催されているから会議はないが・・
早く仕事に戻りたいものだ・・そう願いながら近習にレイラについて尋ねる。
私を誘惑することは諦めたようだが部屋で大人しくしているといいが・・・
しかし予想通りというか彼女は王宮内を気ままに散策しているとの報告が返ってきた。
やれやれ・・
とはいえ・・これは家探しのチャンスだった。
女の秘め事を暴くのは悪趣味かもな。
だが同時にロマンもあるから義賊としての好奇心がわいた。