様子伺いにかこつけて彼女のために用意した部屋を訪れてみたが、部屋にレイラの姿はなく思わぬ人物が待ち構えていた。
ベールを目深に被った女だった。足元には小さな箱が落ちていたが女は気にもかけない。侍女ではありえない反応だった。
あれは・・・?
「ライザール様・・お待ちしていましたわ・・・」
ずいぶん馴れ馴れしい態度の女だったが・・この女はレイラにつけた侍女ではない。
「何者だ?ここでなにを・・くっ」
しかしそこで異変に気付く。視界がゆらぎ異様な気配が女からしたからだ。
この感覚はレイラのタトゥーと同じ・・・だが思考が中断される・・
まずい・・このままでは・・
気づけば女が私に抱き着きみだらに身を寄せていた。
「ねえ・・いいでしょう‥ライザール様・・・私を抱いてくださいませ」
しかし流されるわけにはいかなかったから必死に抗い間髪入れずに手刀で気絶させ人を呼ぶ。あっけなく倒れたところを見る限りでは訓練された密偵ではないようだ。だが容赦はしない。
ベールをめくってみたが凡庸な顔の女だった。ヘナタトゥーの見せた幻想とは恐ろしいな。いずれにせよ知らない顔だった。