「心得てございます・・・ライザール様」
不満そうではあったが、あえて反論はせずに頷く彼女にこの場の捜索を任せて部屋に戻る。女の部屋だけに見るべきポイントは彼女の方が心得ているだろう。万が一にも証拠を捏造されても困るので信を置ける女官長に一任した。
誰がなんの目的で女達を差し向けるのかなど考えたところでわかるはずもなかった。心当たりがありすぎるからだ。
しかしこの場所で欲望に流されるのは命とりだった。王なのだから全て思いのままになるなどしょせん幻想にすぎない。
王だからこその不自由だった。
私の心からの願いは愛する女を娶り幸せな家庭を築くこと・・
だがそれが一番難しい場所だった。
やがて音もなく女官長が現れた。
まったく・・足音を忍ばせる侍女がどこにいる。
立ち居振る舞いには気をつけろといっているのだが、つい癖がでてしまうようだ。軽く睨んだが彼女は動じない。
ダーラはライザが私に遣わした密偵でライザに忠義を誓っており私を監視している女だった。だから私の情報は逐一ライザにいってしまうが、逆はその限りでもない。
私のことはライザの意を汲み王として振舞う限りは黙認しているらしい。
だが同性には厳しく私の周囲には常に目を光らせているようだしダーラ直属の侍女も職務に徹した者達ばかりだった。
それゆえなのか婚約者のレイラのことも気に食わないようだ。
密偵同士だからだろうか?・・やれやれ女は怖いな。