今夜ついにライザール様に抱かれるんだわ・・

 

婚儀である以上外せない重要な儀式だった。

 

偽物の私で良いのだろうか・・そう思わないでもなかったけど・・

これまでもずっとライザール様は婚約者としての私をお求めになったわけだし今更だった。

 

だからあとは私の覚悟だけだわ・・・

 

踊り子で密偵だった私が正真正銘王の花嫁になる・・

形だけなのか本当の妻になれるのかはすべて私次第だった。

 

湯を浴び身を清めてから豪華な婚礼衣装を着て同じく豪華な装いの威風堂々とした王と引き合わされた。

 

本来ならこの場所でが初対面だったはず・・だけど先にどんな方か知ることができてよかったと思う。

 

ライザール様には親族がいないから主だった家臣だけが参列した。

 

本物のレイラ様のお父様のターヒル様の姿もあったけれど後ろ暗いせいかそ知らぬふりだったし花嫁が直接口をきくことはないから問題も起きずに滞りなく挙式はすみ、いよいよ初夜を迎えることになった。

 

ああ・・緊張するわ

 

式の最中ライザール様は終始機嫌が良さそうだったけど目は笑ってなかったし私をちらりとも見なかったことが気がかりだった。

 

その横顔は峻厳で孤高であり妻を迎える男の顔じゃなかった。