慣れるまで時間はかかりそう・・この一度で飽きられないといいけど・・
つまらない女だと思われやしないか気が気でなかった。
「そんな顔をするな。ふっ・・そなたが嫌でないならば次もあろう」
不安が顔に出てしまったみたい。どこか面白そうにライザール様はそうおっしゃった。
妖艶なカマルの踊り子のイメージが瓦解する音が聞こえた気がしながら羞恥にかこつけて背をむける。
もう!意地悪な方ね・・今にみてらっしゃい
もっとイイ女になって貴方のこと夢中にできるかしら?
だけど疲労と睡魔に包み込まれてそれ以上考えることはできなかった。
翌朝目覚めた時にはすでにライザール様の姿はなかった。
新婚の朝に夫の姿がないなんて寂しくもあったけど、昨夜の失態を思えば気まずさもあったからかえって安堵を感じた。
一夜を共にしたからと言って劇的に何かがかわるわけではないと思っていたけど違ったみたい。
もう私は王の伴侶だし周囲もそう見なす。
言動はもちろん立ち居振る舞いの全てが王の足を引っ張ることになりかねない立場だった。