女官長からの報告では彼女は取り乱すこともなく大人しく従ったようだ。
なかなかしたたかな女らしい。
だから私も危険を承知で様子を見ることにした。
猛獣をしつけるのは嫌いではない。
愛玩しているマウトグィータのカルゥも今でこそ可愛いヤツだが出会った当初は手が付けられない暴れん坊で私の上腕に消えない傷をつけたくらいだ。
今回も試すのはやぶさかではなかった。
礼節は大事だ、だからまずはこちらのやり方に従わせる必要があった。
寝台の上ならばともかく所かまわず男を誘惑するような下品な女では困る。
メンツに泥を塗られて失笑を買うのは懲り懲りだった。
仕切り直すために侍従に命じて茶の支度をさせる。
すぐに香り高い挽きたてのコーヒーと小さな焼き菓子やドライフルーツが並ぶ。
そこへ紫紺の衣装に装いを改めた「レイラ」が現れた。
ほう・・これはなかなか・・
露出が減ったぶん慎ましさの中の美がより際立つというものだ。
彼女の素肌を暴けるのは夫たる私だけ、そうこなくてはな。
こちらの意図をきちんと察しただけでなく好みまで把握している女官長の手並みに感心しながら着席を促すと毒気を抜かれたのか彼女は素直な態度で応じた。
私が懲罰を与えるとでも思ったか・・・女をいたぶる趣味はないから心外だが、悪意ある輩ならば男女問わずにこの手で始末するだけだ。
私は己の手を汚すことを厭わない。
だからくれぐれも愚かな真似はしないことだ。