「そうですね・・それは難しいですが大事なことですからお答えします。貧富や男女の差なく教育の場を設けることではないでしょうか」

 

!・・・なるほど

 

格差はなにも身分だけではなかった。読み書きも満足にできないことなどざらにあるからだ。

 

私の母は教養のある女だったがこの国では稀な存在だった。

結局母は貴族の体面を守る為だけに無実の罪を着せられて死罪になってしまった。

 

母のように素晴らしい女性がケダモノに屈しなくてはならないなんて理不尽な話がまかり通ってしまう。それは女を同等と見なさない風潮があるからだ。

 

だからこそ女性の地位を向上させることは必要だった。

 

語る彼女の眼差しはともて真摯なもので実感がこもっているようだ。ご多分に漏れず不当な扱いを受けたことがあるのだろう。

 

「それと優先すべきは親のない子供たちを保護することではないでしょうか。」

 

そのことは兼ねてから私にとっても悩ましい問題だった。

 

親のいない子らは少なからずおり犯罪に巻き込まれてしまうことも多い。

 

我が国には施設のようなものはないし、手を差し伸べるような者もいない。

 

だからこそ義賊をやっていたわけだが全てを救えるわけではなかったし、一人では限界があった。

 

「たとえば・・使われていない王宮の部屋を利用してみてはいかがですか?ライザール様はハレムをお持ちでないですよね?」

 

簡単に言ってくれる。伝統ある王宮を保護施設にしろとは・・

貴族連中は当然反対するだろうし、孤児の為に予算を割くなど論外だということは明白だった。