※トイ視点です
カマルを訪れた大人の男達は皆舞妖妃に夢中になるという・・
トイ自身は舞妖妃のショーを見たことはなかったが、浮世の憂さを忘れさせてくれるような夢心地になれる舞いらしい・・
実際に会ったシリーンは確かに美女だが、気取ってなくて親しみやすい女だった。
けっして魔性の女という感じではなかったが、大人になると物事がより複雑になってしまうものなのかもしれない。
男だからこそ弱みを見せたくないし格好つけたいのだというのもなんとなくわかるつもりだ。
王ならば体面はより重んじるだろう。
身分を越えて愛を育んでいる二人が結婚するとするならば前代未聞だということも想像に難くなかった。
だけど二人を知る分密かに応援しているトイは邪魔するヤツなど馬に蹴られてしまえと思わずにいられなかった。
その一人は情報を得るなり慌ただしく去ってしまったが、ライザール王が知らないのはフェアじゃないだろ?
あの兄ちゃんチップ弾んでくれたけど・・口止めのつもりだったのかもしれない。
でも同時にこうも思う・・・
王に知らせておいてくれって託されたのだとしたら・・
「情報屋としては腕の見せ所だよな?」
手短に要点を記した紙を鷹の足にはまった小さな筒の中にこめて空へと放つ。
シリーンのピンチだ。後は頼んだぜ!ライザール王!
2021年4月2日公開