※ジェミル視点です

 

アスラもバカな女だ。アイーシャがどう言ったかは知らねえが、家出中のあの女の行方を知る奴はいないしあの顔じゃこの国では自己証明も難しい。

 

この世から忽然と消えても気づかれない存在なんだって気づいてないなんておめでたい女だった。

 

『アスラの処分はお前に任せるわ・・・・いいわね、ジェミル』

 

それがアイーシャの命令だった。

 

そんなことも知らずにカマルの給仕係として潜入することになったアスラの見張りを命じられたが、俺は俺でシリーンに危害が及ばないか監視は怠らなかった。

 

しかし留守にした瞬間を見計らいまんまと出し抜かれてしまった。

 

俺を信用していないアイーシャから潜入目的は知らされていなかったが、踊り子たちの話ではどうやら店主の持ち物を盗み出す計画だったようだ。

 

俺に命じないあたりアイーシャにしては珍しく用心しているらしい。

 

おそらく魔術書の類だということは察しがついた。

美容に異様なまでの関心を寄せるあの女はこれまでも多くの女達の犠牲をへてあの若さを維持してきた。

 

実際の顔は想像もしたくない。

 

俺もおふくろもあの女の手に落ちたが、俺の皮膚疾患から王族の血統だと知ったアイーシャは俺をなんとか利用できないかと目論んだ。

 

シンボルを持つ女から迫られても俺が流されないと知ったあの女はその特性を逆手に取り利用する方法を思いついた。

 

アイーシャのファンを装いながらも出し抜こうとするパメラや美蘭・・シンボルを持つ女達の護衛兼監視と不具合が生じた時の隠蔽(暗殺)だった。

 

娼館では計画が失敗したから王に密告しようとした娼館の主の口を封じるしかなかった。

 

 

 

2021年4月2日公開