一瞬垣間見えたのは羞恥と困惑、そして官能だろうか?
もしくは触れられること自体を恐れているのだろう。
なるほど・・私に触れたがるのはある種の牽制なのかもしれない。
かくいう私がそうだからだ。気を許したとたん豹変する女もいる。
大抵は刺客だから私は女に触れられることは好まなかった。
寝首を掻かれてたまるか。
愛する女との触れ合いなど夢のまた夢だ。王というものは思った以上に過酷で不便な境遇だった。
相手が誰であろうと心を渡すものか・・目の前のこの女のことすら信じられない!
そんな鬼の心が目覚めそうになってしまったその時だった。
殺気を感じた時には手遅れだった。
首に巻かれた暗器が締まり・・思わず歯を食いしばる。
見開かれた蜂蜜色の瞳に映るのは私の死だ・・
・・・・くっ・・・・!!
やはり罠だった・・背後の襲撃者を目の端に捕らえてはいたが形勢は不利だったし逆転の余地はなかった。
カルゥがここにいれば・・・っ!
後悔しても遅かった。重くて肩が凝るから私室で寛ぐ時は金環の首飾りも外してしまっていたが、急所を隠す暗殺防止の役割もあったのだ。
しかし諦めかけたその時彼女の口から絹を裂くような悲鳴があがった。
背後の暗殺者がひるんだ瞬間を見逃さずに肘を叩き込むと、緩んだ暗器が引き抜かれて暗殺者は去り、私達だけになった。