私との相性も大事だが、王妃として敬意を払わせ従わせることができる存在でなければならない。

 

そんなことをつらつらと考えながら婚約披露だからとダンスを申し込むと彼女は快く受けてくれた。

 

怪我を押して平然と振舞う姿は健気だとすら思える。

なによりも驚いたのは彼女の踊りだった。

 

軽やかに舞い踊る様は天女のごとく有様だった。

 

そこかしこで「舞妖妃のようだ」と囁く声を耳にしたが、巷で人気の踊り子のようだ。

 

生憎と私は舞妖妃の踊りを見たことはないが、・・・まさかな。

 

ダンスの後、私は諸侯とともに水煙草を楽しむことにしたが、そ知らぬ顔をしながらも彼女の様子を伺っていた。

 

もちろん彼女を試すためだ。

 

暗殺者との共謀説はともかくあれだけ魅惑的な女だ・・秘密の恋人がいてもおかしくはない。

 

現にレイラには男がいたが相手は身分の釣り合わない召使いだった。

 

私との婚姻より自由恋愛を選んだレイラを責める気はなかったが、恋愛に重きを置かない私には理解できないことだった。

 

割り切った関係の方がよほど楽だ。

 

贅沢を好むレイラのような女が一時の情でそれら全てを捨て去るなど愚かだとしかいいようがなかった。

 

だがそう思いながらも偽物の婚約者の彼女に他の男がいるのだとしたら見逃すことはできそうになかった。

 

だからライザに協力をしてもらったわけだが・・

 

さて、彼女はどう出るかな・・?