背を向けたその隙に帯の中に紙片を押し込んだ時、ライザール様が振り返られた。

 

だからすかさずに尋ねてみる。

 

「ねえ、さっきの方はどなたなの?アイラーンをいただいたんですけど・・」

 

するとライザール様はなんでもないように応えられた。

 

「ああ・・私の知り合いの男なんだ。水煙草をブレンドさせたら最高なんだが・・パーティだから飲み物も扱っていたのだろう。」

 

そうだったのね。

 

ライザール様も先ほど水煙草を楽しまれていたことを思い出しながら頷く。

 

ライザール様のお知り合いの方ならば信頼できるだろうか?

だけど意外だった。そんなに親しい間柄の方がいたなんて

 

・・ああ、だから婚約者がたくさんいたことも話されていたのかもしれないわ・・・

 

「なんだ・・さっきから変だぞ?あの男になにか言われたか?」

 

気になることは多々あったけれど・・どうしよう私が確かめたいことは・・・

 

婚約者がたくさんいたの?なんて聞けるはずないわね。

あの方も言っていたじゃない。「王は私を選ばれた」それが紛れもない事実だった。

 

もちろん私はレイラ様じゃないけれど・・でもここにいるのは私だけですもの。

 

だから構わないでしょう?

 

紙片のことだって気になったし、中身やなぜ私に手渡したのかだって気にかかっていた。