※シリーン視点です
考えてみれば店主様のことを多くは知らない。いえ、知らないことばかりだった。
いつも温厚で優しい店主様を疑う理由なんかなかったから・・
盲点だったのかもしれない。近すぎて見えなかった。
ずっと変わらず・・・
いえ・・・待って、違うわ。
思い出すことを拒んでいた記憶が徐々に蘇っていく・・・
出会った時店主様は老人のような枯れた手で私の小さな手をとり繋いでくれたのだ・・・
だけど気づいたら今の姿になっていたのではなかった?
私はそれを自然と受け入れてしまった。
確か店主様はフレイン帝国出身で「不老不死の研究をしている・・」と話してくれたことがあった。
だから「老化を止めるために君の血が欲しいんだ‥ダメかな?」
って言われた私は店主様の求めに応じたのだった。
指先に針をさす程度の僅かな痛みを伴う小さな代償だったけれど・・それは私が年頃になるまで続いた。