商人の娘だったシェーラはさる大貴族の養女になり、私に嫁ぐことになったが当面は喪に服さねばならなかった。
そして待ちわびた喪が明け私とシェーラは華燭の婚儀をあげたのだ。
やっと彼女をこの腕に抱ける・・そう信じていた。
だが・・・初夜の晩私は彼女の裏切りを知ることになってしまった。
用意されたかための盃を口にした途端意識が朦朧としてしまい、異変を察知した時には遅かった。
隠し持っていた短剣を手にした彼女は私の命を望んだのだ。
なぜあんなことになったのか今でもわからない・・
シェーラが振り上げた短剣は肩に刺さったが、私を仕留め損なってしまい半狂乱の彼女の素肌に散る異様なシンボル・・当時はそれがなにかも知らなかった。
裏切りはこれが初めてではなかったが許すことはできなかった。
肩に痛みを感じた瞬間、怒りで一瞬我を忘れてしまった私は短剣を奪い取りそしてその短剣で彼女の命を絶ってしまった。
花嫁としてこの腕に抱くはずだった女は私の腕の中で息絶えた。
彼女の涙と私の涙が交じり合ったがシェーラは永久に失われてしまった。
今後二度と交じり合うこともない。
愛した女の裏切りの発覚は私を奈落に突き落とし、父の死もその苦悩に拍車をかけたのだ。