縛りはライザール様がルトだと知らず、ライザール様もシリーンだと気づかずに決め手にかけたまま夫婦生活を続けることになったライザール×シリーンドキドキ

 

 

目を覚ますとまだ周囲は暗くて辺りは静まりかえっていた。

眠りが浅い日々が続いていた。

 

隣を見るとそこはやはりもぬけの殻で、そっと触れてみたら冷たいシーツの感触にいっそう孤独を感じてしまう。

 

密偵としてこの仕事を受けた時はこんな状況は想定していなかった。

 

ライザール王の婚約者としてこのヒラール宮に潜入して、はや半年が経とうとしていたが私はいまだに「レイラ」のままだった。

 

だけどそう決めたのは私だもの・・

偽りの名で呼ばれるのは辛かったけど、それでもレイラでなければライザール様の傍に侍ることすら許されない立場だったから・・

 

血を採る目的で王に近づいた私はあっさりとライザール様に魅了されて陥落してしまった。

 

力強く生命力に満ち溢れたオーラを放つライザール様の燃えるような双眸を初めて間近で覗き込んだ時恋に落ちた。

 

真実の名を告げることもないまま婚姻をかわし、そして初夜を迎えた私は彼を受け入れた。

 

ライザール様は用心深い方だから私のことを密偵だと勘繰っておられたけど、夫としての義務を果たすために愛のないまま私を抱かれたのだ。

 

初めてで羞恥に震えて臆す私を忍耐強く彼は宥めて抱きしめてくれたけど、儀礼に満ちた思いやりでしかないのはわかっていた。