しばらく私にも警護の名目で監視が付けられたけれど、おそらく暗殺者との共謀を疑われていたのだろう。
しかし疑わしきは罰せずとばかりに黙認されたようだ。
けれど密かに慕うライザール様の暗殺が公然と行われるのが日常であると知り、喪失を恐れた私は彼に同衾を申し出ることにした。
王妃の役割を思い出させることでなんとか承諾していただけたけど・・・
それはせめてもの願いでしかなかったが、ライザール様は煩わしそうに嘆息されただけだった。
私を抱くのがそんなに嫌なのかとも思ったけど、ライザール様が同衾者からの暗殺を一番恐れているのだと後になり知ることになった。
それはままあることらしい。
王の閨に侍りたい女などいくらでもいるだろうが、ライザール様はハレムを持たない稀有な方だった。
それでも一夜だけの相手にはことかかない方だけに命を狙う者達はその機会を最大限に利用しようとしたが、はなから近づく女を信用していないライザール様の油断を誘うことはできなかったようだ。
けれどアリ家の支援を欲したライザール様がレイラ様を娶ることになり愛妾をあてがうために躍起になっていた諸侯は肩透かしを食らうことになった。
なんとか縁故を持ち権力にあやかろうとする彼らを牽制できる反面、娶った妻を無下に扱うこともできなくなったライザール様は、義務を果たすために月に数回私の相手をして済ませようと目論んでいたらしい。
私の申し出がそれを台無しにしてしまったわけね。
ライザール様が気が進まないながらもご機嫌伺いするのはレイラ様の実家であるアリ家の支援をあてにしてるからにすぎなかったが、いつ正体が露見しないか気が気でない私にとっては諸刃の剣だった。