そうそう、今宵の特別な日のために用意したものは他にもあるわ。
ロサンヨークで一流のデザイナーになる夢は絶たれたけど、特産品のテロメアーナを宝飾品に加工する技術はすでにルトが見出していたからこの場所で成功を得ることが出来た。
私がデザインしたマリッジリングは普段使いできるように機能性を重視しながら、優美なデザインに仕上げた指輪だった。
裏にはイニシャルも刻まれているわ。
以前は指輪をかわす習慣だってなかったけど、今では習慣として根付いたものの一つだった。我が国の老若男女問わず宝石を好むから受け入れやすかったみたい。
10歳年取ったけど指の細さも変わってないし体形も維持してるんだから・・
それにこの10年ルトと何もなかったわけじゃない・・
ファーストキスはもう捧げたし、最初の時以外でも機会があるごとにキスはご褒美として与えたわ。
シャナーサにおいては女王は過去にいなかったし私が初めての女王だったけど、王たちの中でも魔神と親密になった者はいなかったから、前例のない関係だったといえるわね。(ルトが代行するまでずっと魔神は店主様だったから
)
ルトは献身的な人だから背中にオイルを塗ったり、巧みに動く指使いで私に至福の時を与えてくれたりもしたわ。
彼のマッサージは疲れを癒してまさに夢心地気分にしてくれた。
だから私も感謝を込めささやかながらお返しをしただけ。
私の愛だけがルトの渇きを癒せるものだったから、官能を共にすることで互いに満たされていたの。