「シリーン・・この場所は彼らに譲ろう・・私達は散策でもしないか?」
怪しい雰囲気に流されることなく私に手を差し伸べてくれたライザール様に頷き返す。
「あ~~ん
すご~い
」
やがて夫婦の寝室からは嬌声が聞こえてきたけれど、私達は静けさをもとめて中庭へと向かった。
思いがけないことになってしまったけれど・・・こんな時だと言うのにライザール様と久々にこうしてゆっくりできるのは嬉しかった。
「シリーン・・あれは確かに私の一部ではあるが幻滅したか?」
ライザール様・・気にしてらっしゃるのね![]()
でもいたたまれなさはわかるつもりだった。
いつもは自分の中にあんな欲望があるなんて気づかずに私達は暮らしているのだもの・・
「・・・いいえ、むしろ己を律しておられることを尊敬します」
長いこと踊り子をして男達の羨望の的だった私の中にもやっぱり欲望は潜んでいた。
だが秘めた官能を踊りに乗せ男達に甘い夢を見せるためには
あの欲望も私には必要だったのだろう。
でも今はライザール様の愛を得て大切に育むほうが大事になってしまった。
私も落ち着いたということかしら。