恋人だった時がなかったせいか時々戸惑ってしまうこともあるけれど、私達は夫婦だから信頼関係がなによりも大切だった。
もし子供ができれば、私達は親になるからまた優先順位も変わってくる
そうして少しづつ年と共に変化しながら適応していくしかない。
だけどそれは素敵な変化だと思うから・・
私は恐れたりしないわ・・
「では私達は私達で熱い夜を過ごすとしよう・・いいだろう?シリーン」
愛のライザール様の甘い誘惑を拒む理由はない。
「いいわ・・
」
本当はね私もずっと貴方に抱いて欲しかったの、だからもちろんいいわ。
愛と欲望、それぞれが満たされた夜が明けて私達はまた一人の自分に戻っていた。
戻れて心底安堵してしまったけど、考えてみれば私がご一緒したライザール様はいつもと変わりないようだった。
欲望よりも愛の方が彼の本性だからかしら?
一方私の方はむしろあちらの方が本性に思えてしまった。
それでもライザール様は私の中に眠っていた愛を呼び覚ましてくださったんだわ。
かつて店主様にキスを封じられたのはそのせいだった。
真実の愛だけが私を暗闇から解き放ってくれる魔法だったから・・
ライザール様、貴方に出会えて本当によかった・・![]()
昨夜見た私は艶やかでとても魅力的だったけれど危うさもはらんでいた。
私はしたたかな悪女にはなれそうもないわね。
愛がさらに深まった時、もう一人の自分は姿を消してしまうだろう予感があった。
半身を失ってしまったとしても私はこれからもずっと愛を選び取るわ。