愛は確かに私達の間にあったが、それを確かめるのは容易ではない。
彼女の表情や眼差しあるいは些細な仕草で読み解くしかない。
なによりもシリーンの笑顔を見たかった。
だからこそ確かめるべく様々な贈り物を彼女に贈った。
彼女は贅沢を好む女ではなかったし、要求もしなかったが気に入った女を飾り立てるのは男の甲斐性とでもいうべきものだったから私自身楽しんでいた。
贈るのも脱がすのも醍醐味だろう?
真珠のピアスは彼女の白い素肌をより一層引き立ててくれた。
我が国ではあいにくと技術がないが、燐帝国から献上された品の一つだった。
なんでもいわくつきの真珠らしい。
「幸福珠」と名付けられた大ぶりの真珠をピアスに加工したものだ。
大切なものを探すための真珠という触れ込みだったが・・
どういう意味なのか私にもわからなかった。
だからシリーンに贈ってみることにした。
私の最も大切な愛する女だからだ。
シリーンは真珠をいたく気に入りさっそく身に着けてくれたようだが・・
キスを交わしたあとのこと・・ふいに彼女が戸惑った顔をしたかと思うと美しく整えられた指先で耳たぶに触れた。
見ると先ほどまであったはずの真珠が消えていたのだ。
ほう・・?
いったい何が起きたのか知らないがしばらく様子を見るとしよう