長らく独身だったせいか、互いの生活スタイルや趣味や好みに至るまでその都度話し合いや互いの歩み寄りで解決してきた。
これもそのうちの一つに過ぎなかったが、サプライズは残っていたようだ。
気づくと私の手の中に丸くて小さな固い感触があった。
予感を覚えながらも何食わぬ顔で彼女の目の前で掌を開くとそこにはやはり真珠があった。
内心の動揺を押し隠し貞淑な彼女の耳に真珠のピアスをつけて
やると、彼女は嬉しそうに微笑んでくれた。
柄にもなく照れてしまう。年甲斐もなくどうにかして彼女に振り向いて欲しい、心を繋ぎ留めたいと思っているなど彼女が知ればどう思うだろうか。
美しい彼女を求めるのは私だけではないからな。
彼女もそんな不安を抱えることもあるのだろうか?
だが私の愛はお前だけに捧げた。私はお前を裏切らぬしこれからも愛しぬくと己自身とお前に誓いを立てた。
その真珠は私達の愛を証明するものだったようだ。
それが誇らしくもあり嬉しくもある。
愛は心で感じるものだが、たまにはこういうのもよいかもしれない。
まだまだ新婚の私達には相応しい贈り物だったようだ。
散々愛し合ったこともあり、今宵はよく眠れそうだ。
だがお前の安らかな寝顔を見ると私の心も安らぐからたまにはこうして見てしまってもいいだろう?
愛しているぞ・・シリーン。
お前はずっとただ一人のかけがえのない女なのだから。
終
