「・・どうした?シリーン」
キスをした後、つい癖で耳たぶをいじった時にパールのピアスを落したことに気づいた。
ライザール様からいただいたものだった。
踊り子だった時はテロメアーナのピアスを好んで身に着けていたけれど今は王妃としてシーンに合わせた宝石使いをすることの方が多かった。
過度な贅沢は慣れていないけどライザール様の伴侶としての体面も大事だったし、ライザール様は私をことさら甘やかしてくださるから困ってしまう。
再会を果たしたあと、「よく頑張ったなシリーン・・お前を誇りに思う。私にとってお前はかけがえのない女だ」そうライザール様は言ってくださったの。とても嬉しかった。
ルトと砂漠で別れてから辛いことの方が多かったけどいつも希望を忘れないでいられたのはルトといつか再会できますようにってずっと願っていたから。
まさか本当に叶うなんて思いもしなかった。
初めこそ私を訝しみどこか距離があったライザール様だったけれど、密偵だとわかった後も親身に私の力になってくれて、とても心強かったわ。
そうして共に行動をするうちに気づいたら私はまたライザール様に恋していた。
子供心に憧れたルトと成熟した大人のライザール様が私の中で重なった時私は恋に落ちたのだと思う。
私を女として見て下さるか不安はあったし、義賊だったのはもう過去のことだった。
今の彼は立派な王だからこの想いは胸の内にしまっておこうと思っていたのに・・
