前回と今回の話でデーツ(ナツメヤシの実)のくだりがあったの忘れてましたあせる

 

いわゆるドライフルーツですよね。私もライラの二次作でちょいちょいエピソードいれたのでデーツには思い入れがあるんですけど~

 

お願い

 

デーツは黎王と漫夭にとって一番良い関係だった時の素敵な思い出のひとつでもある茶うけだったのですが、南部でも採れるため

確か黎王から昭蕓郡主に送られてきてたのですが・・・

 

郡主はそれを手土産にして容楽のもとを訪れ、「黎王兄からです」と無邪気に勧めます。

 

黎王を忘れることのできない容楽にとっては、複雑な心境をもたらすものなので意地もあるのかけっして口にしようとはしませんでした。

 

デーツをひとつ手に取った容楽は黎王のことを語る昭蕓郡主の口に押し込みます。「もうそれ以上言わないで」という甘い口封じですよ。

 

 

そんなやりとりがあったのですが・・容楽にとっては黎王とのことを抜きにできない思い出の品だったようです。

 

黎王もそれを見越して容楽に想いが届くように人懐こい昭蕓郡主に託したのだと思います。男として容楽の心を奪った黎王から傅将軍への牽制の意図もあったようですが・・

 

一方、妻にはしたもののいまだに形だけの夫婦でしかない傅将軍でしたが、彼なりにできうるかぎりの愛情を容楽には注いでいました。

 

しかし容楽があえてデーツを口にしなかったことで、逆にまだ黎王への未練を感じ取ったのか男としての嫉妬からかデーツの詰まった蓋の開いた小箱を無情な顔でわざと落としてしまった傅将軍の心境はいかに。けっして穏やかではないはずです。

 

南部の騒乱を初期段階で鎮圧したことで流民を民として土地を与えることで不満分子の排除と労働者の確保も同時に行い手腕をいかんなく発揮したことで、絶大な影響力を持つという意味では、男としてだけではなく未だに黎王の才は健在だと周囲に知らしめるものでした。

 

けれど同時にそれは南部で反乱分子を鎮圧して華々しく凱旋したはずの傅将軍の戦功が形無しになるということでもありました。

 

北臨は尉国との戦いを控えているため、国内(南部)が安定したことは皇帝にとっても願ってもない状況だったわけです。

 

もともと傅将軍を高く評価してきた皇帝でしたが、懸念材料があるためか後顧の憂いのないようにしたい状況においては疑念は募る一方です。

 

雲貴妃のことで心がすれ違ったとはいえ実際は互いを想い合っている親子だけに皇帝も本音では黎王に対し誰よりも信を置いているため

 

いざとなったら息子を選ぶだろうことは傅将軍からすればどうしても越えられない立場や皇帝の息子たちへの身びいきに苛立ちがあるのも無理はありません。

 

さらにその場にいて彼女を慰める自分ではなく遠方にいながらデーツだけで彼女の心を掻き乱せるなんてより許せないでしょうね。

 

西啓と一方的に関係を断ちながらも水面下で計画を推し進める傅将軍にとっては黎王の存在はやはり侮れない存在だったので、南部で騒乱を起こさせ失脚あるいは足止めして時間稼ぎの目論見があったようですが、あえなく鎮圧してしまったため次の出方を窺っていましたが・・

 

黎王が都に戻らずに、仮住まいをリフォームして腰を落ち着けるらしいとの情報を得て「奴がいない方がことが運びやすい」と部下に指示を出していました。

 

黎王的には私欲に駆られた孫家を試しつつ、同時に傅将軍への目くらましでもあるのだろうと思います。

 

 

たかがデーツだけど、容楽と傅将軍ではその受け止め方は随分と違うようでした。