お部屋に伺うとライザール様はちょうど会議の資料に目を通しておられるようだったけど、私の姿を見ると笑顔で歓迎してくださった。
「シリーン・・ちょうど休憩しようと思っていたところだ。今茶を用意しよう」
勧められるままソファに腰を下ろすとライザール様がすぐ横に腰を下ろされた。
ああ・・彼の匂いだわ・・![]()
水煙草とウードの混じった香りがするこの部屋に来ると妙に居心地がよくてつい長居してしまいたくなる。
「それでどうしたのだ。私になにか用か・・?」
用がなければ来ちゃダメなの?
そんなことを思いながらも口には出さない。
用ならあるわ・・・例えば・・・
「お義父さま・・・って呼ばれるのどう思われる?」
![]()
私の言葉を聞いた途端、ライザール様はむせてしまわれた。
「突然なんだ?笑えない冗談だぞ‥シリーン・・・ああ・・なるほど」
私の顔を見たライザール様は何かを察したのか、とたんに複雑そうな面持ちになった。
「ライザに私かジェミルを選ぶように言われたか?」
こくりと頷くとライザール様は重い溜息をつかれた。