「ええ・・できるわ。だけどもしそうなってしまったら・・ジェミルを傷つけてしまうことが怖いの・・ねえ、私はどうしたらいいの?」

 

私にしか心を開かなかったジェミルが、ライザール様に抱かれた私を受け入れてくれるかはわからない。

 

「ずいぶん欲張りなことだがそれはお前次第じゃないのか?後悔のない選択などないし全てを手に入れることは難しい・・私はお前が欲しい、シリーン・・それではダメか?」

 

私の唇に触れそうで触れないぎりぎりの間合いでライザール様が囁く。

 

お預けなんてひどい・・・

 

あくまでも選ぶのは私だというのね・・

ならば私は・・・

 

ライザール様、貴方を選びます

 

「ダメじゃないわ・・だからいいでしょう?」

 

誘惑するのは初めてじゃないのに胸が高鳴ってしまうのは私も彼も本気だから・・後戻りもできないくらい

 

「ああ・・もちろん」

 

共犯者のように微笑みあった私達は初めてのキスをかわした。

触れ合った瞬間すべて蕩けて混じり合ってしまうほど濃厚なキスだったわ・・・

 

その時これまで保ってきた均衡が新たな形に変化する音が聞こえた気がした。