もし私が彼を選ばなければ、いずれライザール様は別の方を娶ったかもしれないし、一生独身を貫かれたかもしれない。

 

そんなのもったいないでしょう?だって彼はとても素敵な方だもの

もし彼が他の方に愛を捧げたら私は深く傷ついてしまったと思う。

 

だから私はライザール様を選んだことに後悔はなかった。

 

親密な関係になってしまったことをずっと隠しておくことはできそうになかったし、けじめとしてライザール様は私を正式に娶ることを

ライザ様に報告したのだけど・・

 

ジェミルを気遣いながらもライザ様は理解を示してくださった。

あくまでも世継ぎはジェミルだから、私達に許されたのは時が来るまで良き施政者として、伴侶として国を治め子を持つことだけだったけどそれだけで十分幸せだった。

 

そのジェミルはというと、しばらく雲隠れして私を心配させたけど

結局は戻ってきてくれた。私の方が心配されてたなんて・・

 

だけどジェミルもやっと得た居場所を失いたくなかったのかもしれない。

 

不変のものなどないのだとしても、私はかけがえのない絆を得れたことを嬉しく思う。

 

永劫を求めて浅ましい狂気にかられた店主様には価値を見出せなかったものの中にこそ私達の安息はあるのだから。

 

そうでしょう?ジェミル・・ライザール様

 

だけどやっぱり私はあの子のこと一生心配してしまうかもしれないわね。

 

姉として母として立場はどうあれそこはさほど変わらないもの。

 

願うことならばライザール様とも仲良くして欲しいけど、恋のライバルが父親なんて・・・困ったものだわ

 

そんな風に悩んでいたらライザさまが笑顔で言われた。

 

「私を選んでくださってもよかったのだが・・ね」ですって・・・あせる

 

お願いだから心にしまっておいてくださいね。

これ以上ややこしいのは勘弁してほしい。

 

葛藤はあったけど私は晴れてライザール様の妻に、

この国の王妃になった。

 

野心があったわけでもなく、ただそこには愛があっただけだった。

でもそれでいいのだと思う。

 

子供の頃からずっと探し求めていた「愛」は今確かにこの場所に

あるのだから。

 

ライザール様、ジェミル・・

 

二人とも形は違うけど愛しているわ・・・これからもずっとね

 

――大好きよ