私はどこで間違えた?そう何度も自問自答することになったが、

その後彼女がまだ独身でいると知り居ても立っても居られなくなってしまった。

 

共犯者だったあの男と彼女は相思相愛に思えたし私自身割り込んだ自覚があったとはいえ、あの男に譲り彼女を諦めることなどできるか自信はなかったが・・

 

せめてもの償いの気持ちもあった。

だから再会を仕切り直すための私的な宴を催すことにしたのだ。

 

あの男とは捕えた後二人きりで話す機会があった。

ベールをはいだ瞬間一目で早世した兄の遺児であることはわかった。

 

あいにくと私にはないがシャナーサの血統に連なるもの特有の顕著な皮膚疾患が見受けられたからだ。

 

この若さでまさか暗殺者になっていたとはさぞ苦労したことだろう。

これは探し出せなかった私の落ち度だった。

 

王族の自覚もないが・・なに、先は長い。いずれにせよこの者には再教育が必要だし民を知るより先にまず己を知るべきだろう。

 

未熟な若造にしてはシリーンへの想いを抱きながらよく我慢したものだ。

 

こいつはずっと彼女とともにおり彼女を守っていたようだった。

だが・・・守り方を間違えたな・・小僧。

 

男達との束の間の情事は彼女の身も心も疲弊させるには十分だったろう。

 

愛するならばなんとしてもその全てを守らねばならなかった。

 

私は傍にいてやれなかったが、この男はずっと彼女の心の拠り所だったのだろう。

 

そう思えば嫉妬を覚えたが、だが同時に複雑な気分だった。

 

結局ジェミルは近すぎたのだ。

 

もし私がシリーンとともにいたら私達も兄妹のような居心地の良い曖昧な関係のままだったのかもしれない。