これまで多くの出会いがあったのにあの少女以上に私の心を占めた女はついぞいなかった。

 

女達との間にあったのは束の間の利害と欲望だけだった。

王とは孤独なものなのだと痛感することになったが、もしあのまま街で暮らしていたら誰かを愛することもあったのかもしれない・・

 

自由を信じて謳歌していた時代を懐かしむ気はない・・

私は王になったことを後悔したことなどないし、この国を少しでも理想に近づけるための努力を惜しむ気もなかった。

 

だがそれでも・・母を失いシリーンと別れてからずっと孤独の日々だった。

 

唯一の身内である甥も行方知れずのままだ・・

いったんこの国の影に落ちてしまえば探すのは容易ではない・・

 

そんな私の前に現れたのが「レイラ」だった・・

身分詐称している時点で彼女の全てが嘘だと思う一方、ふとした瞬間に、身分以外は全て本音なのではないかと思えてしまうことがあった。

 

私を惑わそうとする一方で私に真実をつきつけようとする・・

気づいたら矛盾を抱えた彼女を愛おしいと思うようになっていた。

 

己を偽りながらも懸命になにかを伝えたいと願う彼女の本質はどこにあるのか。

 

彼女は私に暴かれたいと望んでいるのかもしれない・・そう思えてならなかったが私自身彼女の抱えた秘密を暴いてしまっても良いのかと葛藤を抱えることになってしまった。

 

どうでもよい女ならここまで悩むこともなかっただろうが、どこか庇護欲をそそる女だけに私も慎重をきするしかなかった。

 

女に心を掻き乱される日がくるとはな・・

 

暴けば私達の関係は壊れてしまうだろうから・・