むかっちっ・・余計なこと言ってんじゃねえ~よ。〆るぞオッサン。」

 

もう!ジェミルったら。王になんて口の利き方をするのよ。

 

思わず動揺してしまう私を他所に男達が火花を散らす。

 

ドンッ

 

今にも暗器を取り出しそうな元暗殺者のジェミルと愛用の鞭に手をかけたライザール様・・

 

もう!いいかげんにして!むかっプンプン

 

私のことなのに私に決定権はないのかしら?

 

誰を愛するか、誰と寝るかは私が決めるんだから!

 

「はいはいそこまでよ。ごめんなさい、ジェミル。私ライザール様を愛しているの。これからもずっとね・・・本気の恋だからいくら貴方でも邪魔したらお仕置きするわよ」

 

シリアスになるのはこりごりだから茶目っ気たっぷりにそう言ったら、ライザール様はたまらず吹き出したしジェミルは舌打ちしたあと拗ねたのかくるりと背を向けて行ってしまった。

怒らせてしまったみたい。

 

やれやれ・・手のかかる子だわ。

 

自分でもわかってるの。私はひどいことをしているのかもしれない。かつてルトに憧れていた時、子供だった私に年の離れた彼を振り向かせることなんてできるはずもなくて困らせてしまったことがあった。

 

マセガキだって思われても諦める気もなかったし早く大人になりたいって思ってた。

 

異性だと意識した相手に妹扱いされても嬉しいはずもないでしょう?

 

だから誰よりもジェミルの悔しい気持ちがわかるのは私かもしれないわ。

 

けれど憧れは憧れのままでは終わらずに初恋が実ってしまった。

 

それでも愛しているのは男として欲しいのはライザール様だけだったからあいまいなままで済ませられるはずもないことだった。

 

「あの者は行ってしまったが、いいのか?シリーン。」

 

選ばれる者選ばれない者。恋はいつだって残酷なもの。

 

本当はあいまいなままの方が居心地はいいのかもしれないけど・・

 

私は二人を同時に愛せるほど器用でもないし多情な女にはなれそうにないわ。

 

ただの欲望を愛と勘違いもしないしけっして流されたりしない。

 

だってこの想いは一途なんですもの。

それに愛ってもっと尊いものでしょう?