※ライザール視点です
彼女は存外律義な性格らしくあれ以降暗殺者の襲撃はぴたりと
やみ、私も仕事に没頭する日々に戻った。
時折ふと彼女を思い出すこともあったが、もちろんおくびにも出すことはなかった。
あれからもそれとなく彼女の動向を監視させていたが、やはりこのまま忘れることはできそうになかった。
折しも旧交を温める機会が巡って来たこともあり、知己になった者達を招くことにした。
彼女にも招待状を送ったが返事をくれるだろうか?
「お詫びも兼ねてあの子とともに必ず参ります・・お会いできるのを楽しみにしてますわ」
美麗な便せんに綴られた美しい筆跡での返信が来たのは諦めかけた矢先だった。
手紙に染み込んだ香りを嗅ぐ。
ああ・・懐かしい彼女が使う香水の匂いだ。
彼女にもう一度会える・・そう思うだけでまるで少年のように心が弾んでしまう。
連れの存在は確かに無視できないが、ささいなことだった。
あの男は暗殺者は廃業したらしいが今も彼女とともにいるのか・・
年甲斐もなく嫉妬を覚えながら再会を待ちわびる私を彼女はどう思うかな。
近隣の若き王子達が一堂に会した場はとても華やいで見えたが、彼らは一様にそわそわとしているようだった。
なるほど・・王子達の目的はどうやら私同様彼女らしい。
なかなか抜け目のないことだと感心しながらひそかに私も心待ちにしていると、やがて客の到来を告げる声がした。