じわりと肌が汗ばみ脈打つ鼓動に緊張を悟ってしまう

 

でもこれは駆け引きだから私も譲らないわ・・貴方とのキスを諦めたわけじゃない

 

この私の唇を奪ったのは貴方なの?ライザール様・・・そうであって欲しい

 

意味深に視線を絡める私の姿に気分を害したのかジェミルは気づいたら姿を消していたし、燐帝国の典雅な皇子さま方はなぜかうっとりとこちらを見ておられたようだけどそれでも私はライザール様から決して目をそらさなかった。

 

五感の全てで貴方を感じたいの

 

この場には貴方と私だけ‥他はきっと幻・・そうでしょう?

ああ・・けれど蜃気楼は貴方の方・・私にはきっと触れることも近くづくこともできないのだわ・・・貴方は遠すぎる・・

 

愛の言葉も交わさずに一晩中身体を重ねた私達だけど・・確かに愛はあったのよ?

 

だけど私には伝える術がなかったからジェミルの命を贖う代償としてこの身を捧げることしかできなかった。

 

貴方にとって私は一夜の女だった。

それでも触れ合うことができて幸せを感じたからいいの。

 

ライザール王が婚約間近だということは知っていた。

だからきっとこれが最後のチャンスね。

 

とっておきの紅をさして貴方を誘惑してあげる・・

 

もしキスを奪えたら貴方のことは奇麗さっぱり忘れるわ・・

だって私は一夜の女ですもの・・去り際も美しくないとね

 

官能の罠にかけて貴方の唇を奪えたならば本望よ・・