日差しに弱い私のために雨宮さんは光を遮る箱を用意してくれて脱出の手はずも整えてくれた。

 

さあ・・行きましょう・・雨宮さん・・

 

だけど闇は闇を呼んでしまう・・

旅の途中祖母が亡くなり帰省していた彼と相席になってしまった。

 

それは私のためならば何でもしてくれる雨宮さんのささやかな悪戯心だったのに・・

 

「ほら・・どうです?素晴らしいでしょう・・?」

 

小さな箱の中に収まった私と彼の視線が絡む・・

 

さあ貴方も彼岸にいらっしゃい・・・

 

貴方にも見えるはず・・真っ赤な真っ赤な彼岸花・・

 

ほう・・・とため息をつき微笑みかけると彼の魂魄は彼岸へといってしまったようだった。

 

貴方の求める先は地獄だけれど・・それでも構わない?

 

「ねえ、貴方のお名前はなんていうの?」

 

そう尋ねたら男が小さな声であえぐように名乗った。

 

「久保・・竣公・・・ああ・・そんな・・」

 

その時予感がした。この男ならばあの方も気に入るかもしれない・・と。

 

別れた後男がどうなったのか知らない。

 

「くくっ・・・加菜子ちゃん、君は罪作りな人だ。でもそんな君だからこそ僕はどこまでも共に行きたいんだよ」

 

そう言って雨宮さんは微笑んだ。