そのすぐ後のことだった。

 

世間を賑わす事件が連日新聞を飾るようになり犠牲者の中に友の名を見つけた時は縁を感じた。

 

ああ・・頼子・・貴女は今どうしているの?

心を病んだあの男が抱きしめた箱の中で微笑む頼子の幻想が見えた気がした。

 

あの男が最後に望むのは箱の中の安息なのだろうか?

 

それとも解放だろうか?

 

かつて私の胎内だった大きな箱館の上空を彩る花火はさぞ美しいに違いない。

 

だけど私と雨宮さんがあの場所に戻ることはない。

私は多くを望まないけれど・・少しだけ正直に生きることにした。

せっかく自由を手に入れたのだから・・・・

 

だから雨宮さんこれからも私と一緒に旅を続けましょうね。

きっと人々は私達を咎人だと恐れるでしょうけど私を受け入れてくれた貴方がいる限り私は共に生きようと思う。

 

本当にありがとう・・雨宮さん・・私の大切な人。