それはこの国に住む者達をも驚愕させるほどの変化を遂げた。

 

おりしも夜明けの頃だった。

 

ただの廃墟だったものが朝日を浴び光り輝く宮殿へと変わったのだから。

 

蛇が絡みついた月を象ったシンボルを抱く荘厳なヒラ―ル宮が

厳かに出現すると同時に人々は皆一様に予言が成就したと理解した。

 

この神秘の国シャナーサ国に「栄光をもたらす」初の王が誕生したのだと・・・

 

変化はそれだけではなかった。

 

宮殿の各所で見受けられた彫像はことごとく変じて屈強な兵士になり、各所に配置されたのである。

 

光り輝く宮殿は完璧だけど「ハーレム」なんてありませんからね。

 

ルトにそう言ったら「お前がいてくれれば十分だ」っておっしゃったわ。

 

それは私もよルト、だって貴方に夢中なんですもの。

 

だから浮気しちゃ嫌よ?

 

その時外に大勢の気配を感じた。

 

「まさか・・行ってみようシリーン」

 

手に手を取り私達は開けた場所を目指した。

 

 

回廊を回り込み2階のテラスから中庭に出た私達の眼下にはこの国の民衆がつめかけていた。

 

皆口々に新たな王の誕生を寿いでいるようだ。

彼らの顔は希望に溢れ輝いていた。

 

なぜなら輝きはこの国に住まう全ての者に光をもたらしたからだった。

 

建物という建物は生まれかわり輝いていた。

 

子らが住まうバザールの片隅の薄暗い路地にも・・

 

日がな一日追憶に浸りながら老いてゆく孤独な者にさえその恵みはもたらされた。