ラクダから降りたルトは私が降りるのに手を貸してくれた。

 

感謝を込め頑張ってくれたラクダを撫でてやるとラクダが一鳴きした。

 

月に照らし出されて辛うじてシルエットが浮かんでいる。

 

「ルト・・ここは?」

 

建物を睨み据えるルトを見上げると彼は答えてくれた。

 

「この国の「王宮」だ・・だがこれまでも幾度か忍び込んでみたが王どころか誰もいない。いるのは忍び込んだ奴らの骸から生まれた化け物と影のごとき番兵どもだけだ・・ただの廃墟さ」

 

満月の晩しか探索が思うようにいかず、建物の内部は闇に閉ざされていて化け物がいる。探索に手間取り脱出できず中で一夜を明かしたこともざららしい。朝が来るとこの場所は再び沈黙した廃墟に戻るのだという。

 

探索できるのは夜だけだった。

 

だからこそ塔に顔を出せなかったのね。

 

ここが王宮だなんて・・聞けばルトはこれまでも度々中に忍び込み地図を作っていた。

 

ルトが持つムーンストーンは月の光を吸収して光り輝き便利だった。

 

愛用の鞭を巧みに使い建物から建物へ飛び移ることが多いから松明は使えない彼にふさわしいアイテムだった。

 

その光に翳しながら地図を見せてもらったがかなりの広さだった。