「ありがとう・・ありがとう・・ルト‥私に「心」をくれて・・」
空っぽだった私の中に芽生えた様々な感情・・それがこんなに愛しいなんて・・
「おかしなことを言うやつだな・・俺はそんなたいしたことはしてないが・・だが確かにお前、変わったよな・・初めて会った時より今の方が俺は好きだな」
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そう言ってルトは髪をくしゃりとかいた。
ルトの髪は黒髪だけどこめかみの際から伸びた一房だけはキラキラ輝いていた。
あ・・・私の髪だわ・・・
それは間違いなく私があげた髪だった。つけ毛にしてくれたのね・・
ライラ・ヌール・・まさに夜を照らす一条の光みたい。
ルトが私から切り取った髪を何に使ったのかわからないし、彼がどんな仕事をしてるのかよく知らなかった。
これまでは私は塔から出なかったから知りようがなかったけど・・
だけどこちらの世界に来てしまった以上やはり気になってしまう。
「ねえ・・教えてルト。なぜ追われていたの?」
するとルトは表情をすっと引き締めると言うかどうか迷ったのか
しばし無言になったが、やがて嘆息すると答えてくれた。
「実は俺「義賊」ってのをやっててさ。まあ街の何でも屋みたいなものだ。不当に私腹を肥やす奴らから金を回収したり、親のいない子の面倒をみたり色々さ」
そうだったのね・・
この世界もやはり平等ではないんだわ・・