58

 

それが私が記した私の個体識別番号だった。なにかおかしかっただろうか?

 

以前、なぜ58なの?と店主様に聞いたことがあった・・

そしたら彼は私にこう言った。

 

「それはね君が唯一の成功体だからだよ、イツハ誇っていい・・

他の妹たちは失敗作だった」

 

店主様の言葉はこの世が平等でないこと・・完全ではないことを私に知らしめるものだった。

 

私は失われた57人の妹たちの希望・・・

 

私は不老不死だけど妹たちは儚く散ってしまった・・

本当に矛盾だらけ・・

 

私は黄金だけど妹達は金メッキでしかなかった・・劣化して朽ちてゆく・・

 

だけど今ならばこう思う・・彼女達こそ本物の「人間」だったのではないかって・・

 

だけど‥店主様は妹達をお認めにならなかった・・

 

そして唯一の成功体である私に愛情を注がれたのだ。

 

「あれはイツハと読むの‥東方の方でそんな読み方をする習慣があるのですって・・私は店主様の58番目の娘だから・・」

 

そう言ったらルトはひどく傷ついた顔をした。

 

なぜ?なぜそんな顔をするの?

私・・貴方を傷つける気なんかなかったのに・・