部屋は狭かったしお世辞にも清潔とは言えなかったが、私が一歩部屋に入ったとたん、ピカピカに磨き上げられ部屋が整えられていった。

 

キラキラ

 

味気ない木の壁も薔薇の壁紙が張りめぐされ窓には美しいレースのカーテンがかかり。床には厚いじゅうたんが敷き詰められ燭台はシャンデリアへと変じた。

 

粗末な寝台が天蓋付きのベッドへと変わる。

 

「驚いたなこれがあんたの魔法か・・」

 

彼の前であまり魔法を使ったことはないから無理もない。

だけどこれは私にとってごく初歩の出来事でしかなかった。

 

「さっきは助かった・・あんたが援護してくれたんだろう?悪いな俺の事情に巻き込んじまって・・だけどあんたが俺に会いに来てくれるなんて・・夢みたいだ」

 

彼はそう言うと私を抱きしめてくれた。

 

ああ‥ルトの匂い‥貴方の温もり・・会いにきてよかった・・

 

叱られてしまうかもって心配もあったけどルトは再会を喜んでくれた。

 

「ねえ」

「なあ」

 

私達は同時に言葉を発していた。息ぴったりね私達・・

 

「貴方からどうぞ・・」

 

そう促したらルトは頷き口を開いた。

 

「聞きたいのはさっき宿帳に書いたあれのことだ・・」

 

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一瞬ルトが問うていることがわからなくて困惑してしまう。