やがて彼の姿かたちがはっきりと見え始めた。

 

まあ!・・なんて・・なんて・・ドキドキ

 

その時感じた感情はたとえようもなかったけど、気づいたら私は膨らんだ胸に手を当てていた。

 

苦しいわ・・こんな気持ち初めて・・いったい私になにがおこったの?

 

わからないままだったが男は軽々と塔を登りそして窓の縁に足をかけると、大きな身体をすぼめて窓を潜り抜け部屋へと着地した。

 

「よっと・・」

 

それが私が聞いた彼の第一声だった・・低くて落ち着いた声だわ・・

初めてこの部屋に招いた「人」だったけど好奇心の方が勝っていた。

 

「店主様」以外で初めてこの部屋を訪れた人だったんですもの・・

 

浮き立った気持ちのまま首を垂れ会釈しながら、挨拶をする。

 

「はじめまして・・人さん・・お会いできて光栄です」

 

私は普通に挨拶をしただけなのに彼はぷっと吹き出すとまねるように手を広げて頭を垂れて挨拶を返した。

 

「これはこれはご丁寧に・・私めこそお会いできて光栄です。

塔の上の魔女様」

 

魔女?私のこと・・?

 

首を傾げる私にずずいっと彼は近寄ると間近で私を見下ろした。

かなり背の高い男だわ・・・

 

彼の身体からは不快ではないけどなにか引き付ける香りが漂っていた。

 

こんなの初めて・・どうしたらいいの

 

ドキドキ

思わずドキドキ胸が高鳴りまた苦しさを増した。