それから・・・

 

9年ぶりに国民と家臣の前に姿を現した父上は、ルトの正体を明かしたうえで改めてライザールの名を継承させ名実ともに王に指名したのだった。

 

そうしないと私は彼の娘になってしまうし、私を王女として認めさせた上でルトと結婚するにはそれしか方法がなかった。それに父の方がルトより年上なの。ルトったらサバを読んでいたのね、でもその方が嬉しいわ。本当は30歳ですって。

 

私は父上が13歳の時の子だから。(びっくりええ!?)父上は随分早熟な方だったのね。でもだからこそ父上は自分の未熟さで私と母を苦しめてしまったことや、守れなかったことを悔いたからこそ幼くして結婚を強いられてしまうこの世界で熟慮することを望んでくれたのね。それは確かに父の愛だった。

 

父上はもう若くないからって年寄りじみたことをいうけど、娘の私からすればまだまだ若いのに。ルトとそう年は変わらないでしょ!ルトも子供ができたら分別臭くなっちゃうのかしら?でも私も努力するから貴方も素敵な旦那様でいてね。

 

ルトの王位継承は当然一部の貴族の反発はあったけれど、彼がこれまで地道に示してきた道を認めた者達も多かった。

 

ここは砂漠の国、潤うためには皆の協力が必要だったし、無為な争いは即滅亡に繋がるから。滅びるのは一度で十分でしょ。

 

なによりも血筋だけではない王としてのルトの醸し出す威厳が皆を納得させた。

 

そもそも父上とルトはまったく似ていないのに王だとまかり通っていたのはそれだけ父上が人前に姿を見せなかったからだけじゃなく、ルトに王としての有無を言わせぬ風格があったからだわ。

 

それに義賊と王女が結婚するなんて素敵でしょ?

「シャナーサの休日」だってそこまでドラマティックじゃなかったわ。

 

ルトが特産品の宝石テロメアーナを発見した幸運も味方した。

なによりもライラ・ヌールとして国民の圧倒的な支持を得たのは間違いない。

 

彼を簒奪者とは言わせない、ルトは王になるべくしてなった逸材だった。

 

ライザール・ルト・シャナーサとシリーン・シャナーサ・・

王と王妃となった私達の婚儀は滞りなく行われた。

魔神はいないけれどお互いに協力しあえばきっと道は開けるはず。

 

こうして砂漠の王国シャナーサに新たなページが付け加えられたの。

 

おしまい

 

 

この後はアフターエピソード(ショート)を予定してます